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あづま下り第二回

(原文)「かきつばたといふ五文字を句の上にすゑて、旅の心をよめ」といひければ、よめる。
(現代語訳)「かきつばたという五文字を句の上に置いて詠め」と言ったので、詠んだ。
(原文)「から衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬる旅をしぞ思ふ」
(現代語訳)常日頃着慣れた美しい着物のように、慣れ親しんだ妻が都にいるので、はるばるやってきた旅がしみじみ悲しく思われる。
(原文)「とよめりければ、皆人乾飯のうへに涙おとしてほとびにけり。」
(現代語訳)と詠んだので、その場の人は皆、乾飯の上に涙を落としたので、乾飯はふやけてしまった。
(原文)行き行きて駿河の国にいたりぬ。」
(現代語訳)一行はどんどん進んで行って、駿河の国に着いた。
(原文)「宇津の山にいたりて、わが入らむとする道は、いと暗う細きに」 (現代語訳)宇津の山に着いて、私がはいろうとする道は、たいそう暗く、細くて
(原文)「つたかへでは茂り、物心ぼそく、ずろなるめを見ることと思ふに、修行者あひたり。
(現代語訳)つる草やかえでは茂って、心細く、思いがけずにひどい目にあうと思っていると、修行者に会った。
(原文)「かかる道はいかでかいまする」といふを見れば、見し人なりけり。」 (現代語訳)このような道にどうしておいでになるのですか。」というので見ると、
(原文)京に、その人の御もとにとて、文書きてつく。
(現代語訳)都にいるいとしい人のもとに手紙を書いて託した。