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あづま下り第一回

(原文)「昔、男ありけり。」

(現代語訳)昔、男がいた。
(原文)「その男、身を要なきものに思ひなして、京にはあらじ、あづまの方に住むべき国求めにとてゆきけり」

(現代語訳)その男は、自分の身を都では必要とされない身であると思いこんで、都には住むまい。東国の方に安住の地を求めようと出かけていった。
(原文)「もとより友とする人、一人二人して行きけり。
  (現代語訳)以前から友としていた一人二人と行った。
(原文)「道知れる人もなくて、まどひ行きけり。

(現代語訳)道を知っている人もいないので、迷い迷いして行った。
(原文)「三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。」

(現代語訳)三河の国八橋という所に着く。
(原文)「そこを八橋といひけるは、水ゆく河の蜘蛛手なれば、橋を八つ渡せるによりてなむ、八橋といひける。

(現代語訳)そこを八橋といったのは、流れていく川がクモの手のように八方に分かれていたので、八つの橋を渡してあったので、八橋というのであった。
(原文)「その沢のほとりの木の陰に下りゐて、乾飯食ひけり。

(現代語訳)その沢のまわりの木陰に腰をおろして、乾飯を食べた。
(原文)「その沢にかきつばたいとおもしろく咲きたり。」

(現代語訳)その沢に、かきつばたの花がとても美しく咲いていた。
(原文)「それを見て、ある人のいはく」

(現代語訳)それを見てある人が言うには