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筒井筒第二回

(原文)「さて、年ごろ経るほどに、女、親なくたよりなくなるままに、もろともに いふかひなくて あらむやはとて、かふちの国、高安のこおりに、いきかよふ所出できにけり。」

(原文)「さりけれど、このもとの女、悪しと思へるけしきもなくて、出だしやりければ、をとこ、異心ありてかかるにやあらむと思ひうたがひて、」
(現代語訳)しかしながら、この男の本妻は嫉妬しているように感じられる様子もなく、男を河内の女のところへ行かせてやったので、男は他の男に心を寄せる浮気心があるのではないかと思って、疑って
(原文)「前裁の中にかくてゐて、かふちへいぬる顔にて見れば、この女、いとよう化粧じて、うちながめて、」
(現代語訳)前庭の植え込みの中に隠れてすわって、河内へ行ったふりをして、見ていたところ、この女は、たいへん、美しく化粧をして、物思いにふけって
(原文)「風吹けば沖つ白浪たつた山夜半にや君がひとりこゆらむ」
(現代語訳)風が吹くと沖の白浪が立つという立田山を夫はただ一人で越えて行くのであろうか。(無事でいてほしい)
(原文)「とよみけるをききて、限りなくかなしと思ひて、河内へもいかずなりにけり」
(現代語訳)と女が歌を詠んだのを聞いて、男は女をこの上なくいとしいと思って、河内へ行かなくなってしまった。